株式会社NSK|左官工事のプロフェッショナル

Materials/Techniques素材・技法

Materials/Techniques素材・技法

伝統的な塗り壁材料 - 漆喰

古くから愛される信頼性の高い素材

漆喰は、日本の伝統的な塗り壁材料であり、安心感をもたらします。1500年以上の歴史を持ち、人と環境にやさしい特性があります。主成分の消石灰には強いアルカリ性があり、細菌を殺菌・分解する効果があります。さらに、カビの発生を抑制し、ダニなどの虫を寄せ付けない効果も期待できます。また、調湿や消臭効果もあります。

漆喰は、白くて平らな壁だけでなく、様々な表現が可能です。色を変えたり、コテ模様を施したりすることもできます。さらに、お客様オリジナルの壁を作るために、様々な素材を加えることもできます。漆喰は、その美しさと多様性によって、建築やデザインの世界で広く活用されています。

天然素材の塗り壁材料 - 珪藻土

湿度調節と多彩な表現が可能な壁材

珪藻土は、海底や湖底に堆積した植物性プランクトン(藻)の化石化した泥土であり、古くから広く利用されてきました。耐火煉瓦の原料や濾過材、吸着剤、脱臭剤などとしても使用されています。

珪藻土は、呼吸する壁として知られています。住宅の内装左官材として使用することで、断熱や湿度調節の性能が効果的に発揮されます。湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出する吸放湿の特性を持っています。さらに、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着する効果もあります。

珪藻土は、白からビビッドなカラーまで幅広い色彩が魅力で、お客様が求める色合いを見つけることができます。その多様な表現力によって、空間の雰囲気を豊かに演出します。自然素材の珪藻土を使用した壁は、快適な居住環境を創り出す一方で、美しさも追求できます。

自然素材の塗り壁材料 - 土・聚楽・砂

日本の風土に調和し、機能性に優れた「和」の趣を感じる壁材

土、聚楽(わら)、砂などの天然素材と左官の技術が結びついた塗り壁は、日本の風土にぴったり合い、特別な「和」の雰囲気を醸し出します。これらの素材を組み合わせることで、壁面に独自の表情が生まれ、他にはない個性豊かな空間を作り上げます。

また、完成後には時間とともにゆっくりと「味わい深く古びていく」特性があります。このような変化は、他の内装材には見られない魅力です。古壁の塗り替えはもちろん、石膏ボードやビニールクロスなど他の素材にも施工が可能です。

自然素材の土・聚楽・砂を使用した塗り壁は、環境にも優しく、心地よい和の雰囲気を演出します。和風の住宅や伝統的な空間にぴったりであり、日本の美意識や伝統を感じることができる唯一無二の壁材です。

建築に欠かせない結合材料 - セメント

セメントは、モルタルやコンクリートを作るための結合材料であり、粘土を含んだ石灰石や石膏を焼いて粉末状にしたものです。水を加えて練ることで化学反応が起こり、固化します。

主成分は炭酸カルシウムですが、少量のシリカ、アルミナ、酸化第二鉄、マグネシアなども含まれており、用途や性質に応じてさまざまな種類のセメントが生産されています。

セメントは、建築材料として広く使用されており、洗い出しや他の仕上げ方法と組み合わせることで多様な仕上げ効果を得ることができます。また、セメントを使用した構造物は長い歴史を持ち、前3600年頃のピラミッドなど、古代の建築物にも使用されています。

セメントは建築の基盤となる重要な素材であり、その強度と耐久性によって建物の安定性を確保します。さまざまな建築プロジェクトにおいて欠かせない存在であり、現代の建築技術や設計の進化においても重要な役割を果たしています。

和の風情を演出する壁材 - 砂壁

砂壁は、糊液と色砂を練り合わせて仕上げる壁材であり、主に和室や床の間の内壁に使用されます。この材料は、伝統的な日本の建築によく取り入れられています。

色砂には、天然砂や砕石、またはそれらを着色したり焼成したりしたものがよく使われます。さらに、貝殻粉や金属粉、色ガラス粉などの素材も使用されることがあります。豊富なカラーバリエーションがあり、白からビビットな色まで様々な色合いが魅力です。お客様がご希望の色を見つけることができます。

砂壁は、その独特の質感や色彩が和の雰囲気を引き立て、空間に温かみを与えます。和室の落ち着いた雰囲気や伝統的な美しさを演出するために最適な壁材と言えます。砂壁を使って作られた壁は、風格と品位を兼ね備え、日本の建築文化の一部として重要な役割を果たしています。

雅な壁材 - 聚楽壁

聚楽壁は、安土桃山時代に豊臣秀吉が聚楽第を建てる際に使用された土(聚楽土)を塗り壁に使用したことから始まったと言われています。現代では、聚楽土を使用していない場合でも、従来の聚楽壁の質感を再現した土壁を指す総称として使用されています。主に茶室、料亭、高級旅館の客室などでよく見られる塗り壁ですので、多くの人には格式高いイメージがあります。

聚楽壁は、その上品な雰囲気が特徴で、建物に上質な趣を与えます。聚楽土を使ったものは、その土特有の色合いや風合いが魅力です。一方、聚楽土を使用していない場合でも、伝統的な聚楽壁の雰囲気を再現することで、落ち着いた和の空間を演出します。

聚楽壁は、日本の伝統的な建築文化において重要な役割を果たしており、建物に風格と格式を与えるために好まれています。その美しさと高級感は、聚楽壁を使用する空間を特別なものにしてくれます。

伝統的な壁材 - 土壁

土壁は、左官仕上げの中でも最も代表的な塗り壁素材です。土壁の基本的な構成要素は粘土、稲わら、砂、水、そして糊です。これらの材料を調合して施工し、独特の質感と風合いを持つ壁を作り上げます。

近年では土壁の施工数は減少していますが、その再利用性などから省エネ建材として再評価されています。土壁は自然素材であり、製造や廃棄における環境負荷が少ないことが特徴です。また、土壁は断熱性にも優れており、夏涼しく冬温かい居住環境を提供します。

土壁はその素朴な風合いや自然な表情が魅力であり、日本の伝統的な建築文化に根付いています。和の空間に温かみと落ち着きを与え、心地よい居住環境を創り出します。土壁の再評価と共に、その美しさと環境への配慮が再び注目されています。

樹脂系左官材

高い性能とデザインの自由度を持つ左官材料です。

アクリル、ウレタン、エポキシ樹脂などを主成分として使用し、固化させることによって完成します。
合成樹脂をベースに、珪砂や寒水石などの骨材や顔料を添加し、鏝やローラーなどの道具を使って様々なテクスチャーを施すことができます。
カラーバリエーションも豊富であり、色やデザインの組み合わせ方によって多様な表現が可能です。
耐水性や耐久性にも優れており、ビルや店舗の内装、住宅の外壁仕上げ、床面など幅広い用途で使用されています。

樹脂系左官材料は、その安定した性能と優れたデザイン性により、建築物における重要な役割を果たしています。その多様な特性と柔軟性によって、建物の美しさや耐久性を向上させることができます。現代の建築において不可欠な素材の一つとして、幅広い場面で活用されています。

モールテックス

優れた機能性と洗練されたデザイン性を兼ね備えた左官材料です。

わずか2〜3mmの膜厚で、強靭な表面強度を実現し、水を通さず溶けません。そのため、簡易的な防水膜としても使用できます。
カラーチャートが提供されていますが、無限のカラーバリエーションとトーンの追求が可能です。
この鉱物性の薄塗りモルタルは、約25年前にBEAL社によって開発され、左官塗材の市場に革新をもたらしました。
最初から水を通さない機能を備えていたビアルモルタルは、後に豊かなカラーリングと表面加工の可能性が追加され、デザイン性と創造性が向上しました。
繊細な質感を持つビアルモルタルは、あらゆる下地の形状をカバーし、水平面や垂直面、屋内外を問わず、シームレスな「デザインコンクリート」を実現します。

ビアルモルタルは、その優れた特性と洗練されたデザイン性により、建築や内装の世界で広く利用されています。その薄い膜で強固な表面を形成し、防水性能や耐久性を発揮します。さらに、無限のカラーバリエーションとデザインの自由度によって、建築物に個性的な表情を与えることができます。ビアルモルタルは、デザイナーや建築家による創造的なアプローチを可能にし、美しさと機能性を両立させる素晴らしい素材です。

デコリエ

デコリエは日本化成株式会社が発売している薄塗の仕上げ材です。

仕上がりの特徴は、コンクリート調になります。 モールテックスとは違い、常に水が触れる場所にはおすすめできません。 またライセンス商品なので講習会を受講する必要があります。 その点モールテックスはライセンス商品ではないのでDIYの方でも使用することが可能です。

また、モールテックスとデコリエの違いは防水性です。 モールテックス自体に防水性はありますが、デコリエはトップコートで防水性を補う必要があります。 モールテックスはトップコートを統一することで仕上がりを統一することができますが、デコリエは場所によってトップコートを使い分ける必要があるので場所によって仕上がりが変わることがあります。

人造石洗い出し仕上げ(技法)

伝統的な左官技法の一つであり、古くから使われています。

通常、床面に施工されることが一般的で、種石とセメント・石灰などを混ぜ合わせて塗り付け、鏝でしっかりと固めます。
セメントが硬化する前に表面のセメントを洗い出し、内部の骨材を露出させた仕上げとなります。
セメントの色と種石の組み合わせにより、無限のバリエーションが生まれます。この工法は、伝統的な技法でありながらも、堅牢な仕上がりと石を固めた強固な仕上がりが特徴です。

また、古くからの工法だけでなく、現代風にアレンジされた洗い出し仕上げも人気があります。現代的なアプローチとして、ネットに種石を貼り付けたり、セメント以外の素材を使用した洗い出し仕上げも存在します。

人造石研ぎ出し仕上げ/テラゾー(技法)

近年再び注目を集めている仕上げ方法です。

この技法では、一般的にセメントと人工石材を混合し、表面に塗布した後、硬化の適切なタイミングで砥石や研磨機、グラインダーを使用して研磨します。
この技法は学校の洗面所や、米国ハリウッドの観光名所である「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」の著名人の星型プレートや歩道にも使用されています。

近年では、厚さ約5mm程度から施工可能な「ビールストーン」(BEAL STONE)などの材料も登場し、家具などにもよく利用されています。

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